【農の挑戦】自民党農林部会長・小泉進次郎氏 海外挑戦「当たり前に」 – 福島民友

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 東京電力福島第1原発事故から丸6年となる中、本県の農業再生は正念場を迎えている。風評を乗り越え、将来の希望ある農業環境をつくるには何が必要か。福島民友新聞社は有識者や先進的な取り組みを実践している生産者など8人に今後の展望や課題を聞いた。初回は与党の農業政策をリードする自民党農林部会長の小泉進次郎氏(35)。本県農業の在り方について語った。(聞き手・社長・編集主幹 五阿弥宏安)

 食材提供…五輪の「遺産」

 ―福島県の農業の現状をどう受け止めるか。
 「地力はあるが、残念ながら十分には世の中に伝わっていない。花を開かせるために取り組むべきことは多い。福島の農産物について最近うれしかったのは、(県北特産の)あんぽ柿を一個一個、袋で包んだ個包装の商品が発売されたこと。家族単位ではなく、一人一人が気軽に食べることが主流となっている現代の消費者にどう受けるかを考えた工夫だ。この視点が必要になってくる」

 ―本県農業の再生にはどんな取り組みが必要か。
 「風評被害の払拭(ふっしょく)が最大の課題だ。風評を克服するのに大事なのは世界的に安全性が保証されるGAP(農業生産工程管理)の第三者認証を福島の生産者が取得することだ」

 ―GAP取得でどんな効果があるのか。
 「GAPの第三者認証は消費者に対して安全性を証明する手段になるだけではなく、2020年東京五輪・パラリンピックで選手らの食材の採用基準に盛り込まれる可能性が高い。原発事故で大きな苦難を経た福島県の生産者が認証取得に努力し、東京五輪に日本で最も多く食材を提供するということになれば、復興五輪の最高のレガシー(遺産)となる。20年以降のブランド化にもつながる」

 ―ブランド化で農業はどう変わるのか。
 「生産者が工程を気にすれば、農業経営の感覚が磨かれる。国際認証は海外販路開拓のパスポートでもある。経営感覚と海外への挑戦が新農業時代の『当たり前』になる。政府は16年度補正予算や、審議中の17年度当初予算案に盛り込んだ関連予算で取得に取り組む福島県の生産者を積極的に後押しする。どんどん手を挙げてほしい」

 ―足元の対策にはどのように取り組む。
 「流通段階での買いたたきがあると聞いている。国として実態をしっかり調査する。良いものは正当に評価されるべきだ。販売促進と販路拡大の後押しも含め、これまで以上に踏み込んで展開したい」

 何もしないと先はない

 ―原発事故の避難指示解除が進む。被災地域の営農再開にどう向き合う。
 「現在、福島相双復興官民合同チームに生産者全戸を戸別訪問してもらい、農家の意向を聞いている。営農再開を考える人でも、販売目的ではなく生きがいとして農業をやりたい人、こうなった以上は新しい農業にチャレンジする意欲のある人もいる。それぞれにかなう支援に全力で取り組む」

 ―後継者不足など震災前からの構造的課題も残されたままだ。
 「農業者の高齢化は全国的な課題で、平均年齢は67歳だ。この5年、10年で一つのターニングポイントが来る。これは農家が不安に思った環太平洋連携協定(TPP)が今後どうなろうとも、日本が独自で解決していかなければならない。それが農業改革だ。政府は昨年11月、生産者の競争力を上げるための生産資材価格の引き下げや海外販路開拓の強化、収入保険の導入など幅広い対策を網羅した農業競争力強化プログラムを決め、実行するための法案を国会に提出している。これらが現場で浸透していけば、農業人口は減っても、将来につながる農業ができるだろう」

 ―福島県では新規就農者が増えるなど新たな動きも出ている。
 「新しい動きといえば、青森県の五所川原農林高の視察で希望を感じた。日本の農業高校で唯一、GAPを取得した。私が視察に行った日は、たまたま翌日から中国にリンゴの輸出販売実習に行く壮行会だった。農家の女の子が壇上に上がり『GAPに取り組んで、将来自分のやりたい農業の方向性がはっきりしました。それは世界一の農業法人になることです』とあいさつした。それを聞いて『これだ』と思った。これからの農業人材は国際認証は当たり前という発想で農業に入れば、まさに農業の新人類となる。福島県の農業高校でもぜひグローバルGAPに挑戦してほしい」

 ―地方では農業改革が農協や生産者をつぶすとの懸念も強い。
 「全くの誤解で、本気でつぶそうと思ったら何もしない。このまま何もしなかったら先はない。国と農協、農業者が共に変わろうというのが農業改革だ。将来性と持続可能性を保つには、耳の痛いことも言うかもしれない。それは日本の食の基盤への危機感の裏返しだ」





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