彫刻家が空間に表現するジャズピアノの音とは? – GQ JAPAN

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«ATM tempoⅠ/Ⅱ/Ⅲ» by Emmanuel Saulnier at Ginza Maison Hermès Le Forum

1970年代後半よりアーティストとして制作を開始し、現在はパリ国立高等美術学校で研究者・教育者としても活動を続けるエマニュエル・ソーニエ。銀座メゾンエルメス フォーラムで、ジャズピアニストのセロニアス・モンクへのオマージュをテーマに、10月31日まで個展を開催している。

文と写真・中島良平

tempoⅠ 《ATM》エマニュエル・ソーニエ 作品タイトルはÀ Thelonious Monk(セロニアス・モンクに捧ぐ)に由来する。

展覧会は楽曲のように3つのパート(tempoⅠ/Ⅱ/Ⅲ)で構成されている。1室目のtempoⅠを占めているのは、《ATM》と題する作品。フランスの4つの地方で拾い集め、燃やした流木をパリ近郊のアトリエで整形した彫刻作品と、針の形状をしたガラス管を床と壁面に配置したインスタレーションだ。

「この作品は、パリのパレ・ド・トーキョーで手がけたインスタレーションの要素を銀座エルメスの空間に合わせて再構成した新作だ。個別の彫刻作品である流木をどのように配置すると空間にリズムが生まれるか。ジャズと同じように空間でインプロヴィゼーションを行なった。それぞれの流木を結びつけ、戦わせ、ダンスさせ、セッションを展開した」

ソーニエが作品を初めて発表したのは1975年のこと。繊細なデッサンを手がけ、80年代に入ってガラス彫刻で注目を集めるようになってからもデッサンを続けてきた。彫刻作品を用いて、空間に即興でイメージを描き上げるためのトレーニングのようなものだと語り、白壁と窓からの自然光を生かしながら、炭化した流木とガラス管の黒で空間にデッサンを描き上げた。

「19歳でどうやって生きていくかを考えたとき、自分はアーティストになることを決意した。22歳で初めて発表した作品は白い紙に描いたデッサンで、思い返してみるとこのインスタレーションと不思議なほどに似ている。デッサンや彫刻、インスタレーションと手法を変えて制作を続けながら、再びアーティストを志したときに抱いたイメージに立ち戻ってきたのかもしれない」(NEXT PAGE)

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