神戸新聞NEXT|経済|鈴木商店と並ぶ老舗商社 苦難乗り越え再び … – 神戸新聞

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 開港150年目を迎えた神戸には老舗の商社がいくつもある。1911(明治44)年創業の山本商店(神戸市中央区)もその一つ。大正時代に日本一の総合商社となった鈴木商店と共に成長し、昭和の金融恐慌や戦災、震災を乗り越えた。綿製品の輸出から始まり、現在はイタリアのチョコレート輸入が主力だ。今秋、チョコの輸出で再び海外市場への参入を目指す。(高見雄樹)

 山本商店は、現在の代表取締役山本俊一(しゅんいち)さん(52)の祖父博一(ひろいち)さん(1950年没)が創業した。市立大阪商業学校(現大阪市立大)を卒業して岩井商店(現双日)に入った博一さんは、27歳で神戸支店長に。活況に沸く神戸で腕を試そうと、31歳で現在の旧居留地に会社を構えた。

 紡績会社が集まり「東洋のマンチェスター」と呼ばれた大阪で作った繊維製品をインドに輸出。第1次世界大戦を機に急成長し、18(大正7)年ごろには、ビルマ(現ミャンマー)のラングーン(現ヤンゴン)や南米ブエノスアイレスなど海外8カ所に支店を開設した。

 社員300人の神戸有数の商社となり、鈴木商店ともしのぎを削った。山本さんは「祖父は貿易業者の団体設立にも関わった。空襲で本社も記録も焼失したが、鈴木商店の番頭、金子直吉とも多くの接点があったと思う」と話す。

 鈴木商店が経営破綻した27(昭和2)年の金融恐慌では山本商店も大打撃を受けたが、10年後には債務を完済した。太平洋戦争で再び事業を停止。戦後は規模を縮小し、家具の輸入などを続けた。

 94年に伊のチョコメーカー、カファレル社と輸入・販売契約を結んだことが転機となる。本社ビル内に直営店を開く直前、阪神・淡路大震災が発生。ビルが半壊する中でも事業を続け、ファンを開拓した。2004年には神戸・北野の直営店でイタリア製チョコを使ったケーキの製造、販売も始めた。

 現在は年商の半分以上をカファレル関連の事業が占める。10~11月、台湾の百貨店に期間限定のチョコ売り場を設け、再び海外に挑む。将来は欧州ブランドのアジア展開を支援するビジネスも視野に入れている。

 「老舗貿易屋としてのプライドを持ちながら常に新しい事業スタイルを追い求めたい」と山本さん。神戸で進取の気風が薄れ、保守的になっているのが気になるという。

 「中小商社は自ら変わらなければすぐに淘汰(とうた)される。歴史から学んだことはそれに尽きる」

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