妻バレは乗り越えても 既婚男性との別れを決めた瞬間 – 日本経済新聞

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 こんにちは。ライターの大宮冬洋です。ここは東京・丸の内のイタリア料理店。公務員の村田亜紀子さん(仮名、34歳)とランチをしています。白ワインを飲んだからではありませんが、亜紀子さんは既婚男性との苦しい恋愛を打ち明けてくれました。同僚の彰さん(仮名、30歳)です。

 彰さんと出会ったのは2年前の春。亜紀子さんが現在の職場に異動になってからです。仕事は充実しているものの残業続きで忙しく、平日の帰り道に誘い合って飲みに行くことが増えました。最初は親しい同世代が複数で行っていたのですが、亜紀子さんと彰さんはお互いに引かれ合い、二人きりで終電近くまでの時間を過ごすようになります(前回記事はこちら)。

 あるとき、彰さんは亜紀子さんに告白し、駅のホームで彼女を抱き寄せました。亜紀子さんは「既婚者とは付き合えない」と断り、ずっと友達でいようと提案します。しかし、彰さんは納得していない表情。その後も二人は頻繁に飲みに行くのをやめなかったどころではありません。お互いに有給休暇を取ってデートをしたこともあります。その日も一緒に深酒。終電間際に駅まで歩いたのですが、亜紀子さんは彰さんにキスをされてしまいます。そして、終電を逃す二人。完全にお泊まりコースですね。

 「朝まで開いている居酒屋はたくさんあります。そこで始発を待つつもりだったのですが、彼が眠りたいというのでホテルに行きました」

 同じベッドで寝たものの肉体関係にはなっていないと主張する亜紀子さん。おそらくその通りなのだと思いますが、外形的には完全なる不倫です。朝を迎えて、彰さんはもう一度亜紀子さんに告白します。妻の実家に資金援助をしてもらって家を購入したので、離婚はできないけれど、亜紀子さんに恋人ができるまでは付き合いたい、と。ずいぶんと身勝手な口説き文句ですね。

 「最低だけど正直な人だな、と笑ってしまいましたよ。そのときには私も彼のことを好きになっていました。自分は恋愛ができない人間だと思っていたので、彼を好きになれたことがうれしかったんです」

 好きになれたことがうれしかった――。なんだかせつない話ですね。僕はこの連載の取材をはじめとして恋愛や結婚についてインタビューをすることが多いのですが、「異性を好きになる気持ちを忘れかけている」と明かす人が少なくありません。だからこそ、たとえ不倫の恋であっても、恋愛できていることに喜びと自信を見いだしてしまうのでしょう。その先には悲しさと苦しみが待っていると知りながら。

■「LINEのやり取りをヨメに全部読まれた」

 最初のショックは昨年の年明けにやってきました。彰さんから電話が入り、「やばい、ヨメにバレた!」と言われたのです。彰さんの妻も、亜紀子さんと同じ自治体で働いています。

 「お風呂に入っている間に、私とのLINEのやりとりを奥さんに全部読まれてしまったそうです。休日にデートしていることや私の名前もバレました」

 まさに修羅場ですね。口が上手な彰さんはなんとかうやむやにしたとのこと。ギリギリセーフだったといえるでしょうか。さっぱり別れるには絶好のタイミングですね。しかし、彰さんの亜紀子さんに対する気持ちはピークに達しており、「離婚してちゃんと付き合いたい」とまで口走っていました。亜紀子さんもそれがうれしかったのです。

 そのまま夏になり、今度は亜紀子さんが彰さんに対して嫌悪感を抱く出来事が起きます。既に不倫をしている彰さんが、同僚に誘われて合コンに参加したことを知ったのです。

 「その合コンでかわいい子に出会ったらしくて、私に対するトーンが下がったように感じました。人を疑ったり疑われたりするのは嫌ですよね。私は同じ思いを彼の奥さんにさせていることを改めて知りました」

 彰さんとの関係をリセットしたいと思うようになってからも、きっぱり別れることができなかったと明かす亜紀子さん。「離婚して付き合いたい」と彰さんが言わなくなったことを問い詰めると、「考えてみたら離婚は無理」との返事。妻の両親や自分の両親など、いろんな人に対して頭が上がらないから、という理由を打ち明けました。

 それでいて、彰さんは今でも平気でデートに誘ってくるのです。いろいろな意味で弱い男性なのでしょう。自分の欲望を抑えることができず、周囲の女性の愛情や優しさに甘えるばかり。その子どもっぽさを「かわいい」と思ってしまうかもしれませんが、ちゃんと切り離さないと時間と愛情を吸い取られるだけです。続きはまた来週。

大宮冬洋
 フリーライター。1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに就職。1年後に退職、編集プロダクションを経て02年よりフリーに。著書に「30代未婚男」(共著/NHK出版)、「バブルの遺言」(廣済堂出版)、「私たち『ユニクロ154番店』で働いていました。」(ぱる出版)など。電子書籍に「僕たちが結婚できない理由」(日経BP社)。読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京・愛知・大阪のいずれかで毎月開催中。
ライター大宮冬洋のホームページ http://omiyatoyo.com/

「キャリア女子ラブストーリー ~アラフォーからの恋愛論」バックナンバー

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