今野先生コラム「食事で認知症予防」第7回:魚を食べて認知症予防! – ニコニコニュース

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ブレインケアクリニック院長 今野先生コラム「食事で認知症予防」

今野裕之先生

認知症予防の中でも特に関心が寄せられている「食事」。多くのメディアで様々な食材や栄養素が取り上げられる中、どんなものをどのように摂ったらよいのか、戸惑っている方も多いのではないでしょうか。

そこで、認知症予防のプログラムを提供するブレインクリニックの院長であり、栄養についても詳しい今野裕之先生が、栄養・食事についてシリーズで解説。皆さんに正しい情報をお伝えします。

みなさん、魚は食べてますか?私たちの食生活が欧米化した結果、肉類やサラダオイルなどの油脂類はよく食べるようになりましたが、あまり魚を食べなくなってしまいました。

魚が持っている栄養素の中で、認知症予防に関して特に重要なのが、オメガ3脂肪酸という油です。オメガ3脂肪酸は体内では合成できないので、食品から摂取する必要があります。食品に含まれるオメガ3脂肪酸の種類には、DHA,EPA, αリノレン酸がありますが、魚に特に多く含まれているのがDHAとEPAです。EPA, DHAはそれぞれ抗酸化作用、抗炎症作用、脂質代謝作用(血液サラサラ作用)など体に有益な作用を持っており、さらにDHAには神経細胞の膜を柔らかくして神経細胞の機能を高める、アミロイドβというアルツハイマー病の原因物質の蓄積を抑えるなどの効果も知られています。

2014年に米国ピッツバーグ大学医学部が行った研究では、サバやサンマ、イワシ、マグロなどの青魚を週に1回食べる人では記憶力や認知機能が向上したことが報告されています。この研究では1989年から10年、参加者の260人を対象に魚を食べる頻度や調理法について聞き取りが行われました。その結果、魚を週1回以上、焼き網またはフライパンで調理して食べた人は、魚を全く食べていなかった人に比べて記憶力を担う領域の灰白質の容積が4.3%、認知機能を担う領域の灰白質の容積は14%も大きかったということです。なお、青魚をフライにして食べていた人は、脳の容積に変化はありませんでした(1)。

この結果は、フライは高温の油を使った調理法であり、熱に弱いDHAやEPAが壊れてしまうためと考えられます。日本人のように生魚をもっと食べていたら、さらに良い結果が出ていたかもしれません。ちなみに、米国のタフト大学の研究チームが高齢者男女899人を対象に、平均9.1年間、血中のDHAの濃度を測定する調査を行った結果では、DHAの血中濃度が高い人ほど認知症の発生率が低いということがわかりました(2)。

アルツハイマー病では脳内のDHAの量が減っていることが報告されていますが、サプリメントなどで積極的に摂取すれば症状が改善するのでしょうか?やや昔の研究ですが、1995年に群馬大学医学部と東京海洋大学教授の矢澤一良教授らによって行われた研究では、アルツハイマー型認知症または脳血管性認知症の患者さんに半年間、DHA入りのカプセルを毎日飲んでもらいました。DHAの量は入院患者さんで1400mg/日、外来患者さんで700mgでした。その結果、脳血管性認知症の患者さんの13人中9人に改善かやや改善、アルツハイマー型認知症の患者さんの5人中全員にやや改善をみたと報告されています(3)。

さらに、2015年に米国の大学が発表した研究では、819人の高齢者にオメガ3脂肪酸の栄養補助食品を半年服用してもらったところ、アルツハイマー病の進行が抑制されたことが確認されています(4)。

スウェーデンのウプサラ大学による2015年から2016年の複数の研究をまとめた結果でも、記憶力低下の症状がある人やMCI高齢者、軽度から中等度アルツハイマー病患者の一部において、魚類やDHAの摂取は予防的なメリットがあると考えられると報告されていました(5)。

このような結果から、遅くとも物忘れが始まったら積極的に魚を食べたり、オメガ3脂肪酸、特にDHAを摂取するのが良さそうです。

オメガ3脂肪酸は加熱に弱いので、揚げたり炒めたりといった高温の調理ではなく、お刺身や蒸し物にするとより効率的に摂取できます。量に関しては、普通に魚から摂取する場合は基本的に安全で、お腹の調子にさえ気をつけていれば問題ないでしょう。サプリメントとして摂取する場合は1日あたり2g以下であれば良いとされています。1日3 g以上の摂取では血液が固まりやすくなり出血しやすくなる可能性がありますので、同様に血液を固まりにくくするハーブやサプリメント、医薬品との併用や出血傾向の高い人は注意してください。

参考文献
1.Raji CA, Erickson KI, Lopez OL, Kuller LH, Gach HM, Thompson PM, Riverol M, Becker JT. Regular fish consumption and age-related brain gray matter loss. Am J Prev Med 2014;47:444–451.
2.Schaefer EJ, Bongard V, Beiser AS, Lamon-Fava S, Robins SJ, Au R, Tucker KL, Kyle DJ, Wilson PWF, Wolf PA. Plasma phosphatidylcholine docosahexaenoic acid content and risk of dementia and Alzheimer disease: the Framingham Heart Study. Arch Neurol 2006;63:1545–1550.
3.宮永和夫, 米村公江, 高木正勝, 貴船亮, 岸芳正, 宮川富三雄, 矢澤一良, 城田陽子. 痴呆性疾患に対するDHAの臨床的検討. 臨床医薬 1995;11:881–901.
4.Daiello LA, Gongvatana A, Dunsiger S, Cohen RA, Ott BR. Association of fish oil supplement use with preservation of brain volume and cognitive function. Alzheimer’s & Dementia 2015;11:226–235.
5.Cederholm T. Fish consumption and omega-3 fatty acid supplementation for prevention or treatment of cognitive decline, dementia or Alzheimer’s disease in older adults – any news? Curr Opin Clin Nutr Metab Care 2017;20:104–109.



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