三越伊勢丹HD、赤字はリストラの成果と強調も成長戦略迷走の苦境 – ASCII.jp

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三越伊勢丹HDは宣伝コストも圧縮
三越伊勢丹HDは宣伝コストも圧縮している。その結果、三越銀座店にはご覧のような広告がお目見えすることになった Photo by Satoru Okada

2018年3月期の最終赤字が9億円でも、リストラの進捗は「想定以上だ」と胸を張る、三越伊勢丹ホールディングスの杉江俊彦社長。一方で、やたらと「デジタル」をうたう成長戦略はやはり不明確で、社内では殺伐とした雰囲気が続いている。(週刊ダイヤモンド編集部 岡田悟)

杉江俊彦社長、ひたすら経費を削減
最終損益は9億円の赤字

 予定通りの最終赤字――。百貨店最大手の三越伊勢丹ホールディングス(HD)が5月9日発表した2018年3月期通期決算は、売上高1兆2688億円、営業利益244億円と微増ながら、最終損益は9億円の赤字となった。

 もっとも大西洋前社長を実質的なクーデターで追いやった後継の杉江俊彦社長が自らに課した使命は、ひたすら経費を削減すること。昨年9月には、社員向けセールで高級ブランド品を破格の値段で販売するなどして、在庫100億円分超を削減。さらに早期退職制度の拡充や、赤字だった子会社・マミーナの清算などで多額の特別損失を計上したためで、前期の最終赤字は想定内だ。

 杉江社長は一連のリストラについて「想定以上に進んでいる」と胸を張る。営業利益350億円という目標も、昨年11月の中間決算発表時には21年3月期に達成としていたが、20年3月期に前倒しするなど鼻息が荒い。

 問題は、今後もブランドイメージを維持し、顧客の支持を集め続けられるかどうかである。

意味がさっぱり分からない
新しい企業理念

 昨年11月には今後の方針として、デジタル戦略と、伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店の改装に取り組むと説明したが、特にデジタル戦略については、商品の単品管理すらできていない百貨店が、アマゾンやZOZOTOWNに伍していくのは無謀すぎるとの批判を浴びた。

 果たして今回の会見で話した内容も、11月のそれと大差なかった。

 杉江社長は、今年秋にもスマートフォンアプリを立ち上げ、デジタル登録されている会員情報を現状の200万人から、21年3月期までに350万人に引き上げる考えを示した。蓄積した顧客データを基に店頭で「お客様に最適なリコメンデーション(商品の推奨)ができる」(杉江社長)と考えているようだ。

 また杉江社長は「私たちの考え方」と称する新しい企業理念を発表したが、

人と時代をつなぐ
三越伊勢丹グループ

変化せよ。

1.データが自分をつくる。
2.時代より先に変わろう。
3.他社が私を新しくする。

be a newone.

 という、意味がさっぱり分からないものだった。なんとなく、百貨店ビジネスにも、とにかくデータが重要だと言いたいことは想像できる。

接客の戦略に長けていた営業部門出身幹部
大西前社長派と見なされ不遇

 だが、そもそも百貨店の接客は、販売員が自身の感性を生かして、いかに顧客と親密な関係を構築し、適切な接客ができるかがモノを言う。銀座や日本橋、新宿など富裕層の顧客を抱える基幹店では特に、である。

 ところが、こうした戦略に長けていた営業部門出身幹部の多くは、杉江社長らから大西前社長派と見なされ、一連のクーデターのあおりで退社を迫られたり、執行役員から理事に降格されるなど不遇をかこっている。データやデジタル技術は昨今無視できないが、彼らのノウハウを生かさずに形だけこれらを導入したところで、真に顧客の満足につなげられるかは疑問である。

 そんなクーデター後の殺伐とした雰囲気を反映してか、中堅社員の間では「上司との面談では必ず音声を隠し撮りしろ、と同僚と言い合っている」などと、社内では疑心暗鬼な職場環境がうかがえる。

 目先のリストラによって、数字はそこそこまでには改善しそうだ。しかし、激烈な社内闘争で失ったものもまた、大きい。

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら



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