「企業ブランド」と「自分ブランド」のギャップ認識に必要な謙虚さ – 財経新聞

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 特に有名企業や大企業から転職した人や独立した人が陥りがちなこととして、「“企業ブランド”と“自分ブランド”の勘違い」というものがあります。

 それまで所属していた有名企業、大企業で立派な実績がある人ほど、それが自分の実力であると勘違いしてしまい、その認識のままで中小企業やベンチャー企業に転職したり、独立して事業を始めたりしたときに、実はそれまでの周りにいた人たちのほとんどが、自分に「企業ブランド」があったから接してくれていた事実に、それがなくなって初めて直面して唖然とするようなことです。

 このギャップが認識できなかったこと、認識できても今までの習慣から行動が変えられないことなどで、苦労する人がたくさんいます。

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 有名な「企業ブランド」がある中で仕事をしてきて、いざそこから離れることになった時、過去の実績はほとんどリセットだと考えた方が良いといわれます。

 それまで周りにいた人たちは、その企業にいるから自分と付き合っていたのであって、辞めた後でも何か具体的なことをしてくれる人は少ないのが実情です。付き合えなくなってしまうことも多いでしょう。

 しかし、その一方で辞めても継続して付き合ってくれる人、取引してくれる会社は必ずあるはずです。それこそが「自分ブランド」で、その時点での自分の本当の実力ということになります。

 「企業ブランド」と「自分ブランド」のギャップ認識が必要だとは言うものの、これはなかなか難しいところがあります。

 この「自分ブランド」のみで仕事をしている人というのは実際にはかなり少なく、タレントやモデルのような芸能関係の人、匠の技の職人、個人競技のスポーツ選手、その他所属先や肩書にとらわれない一部の人に限られます。

 それ以外の、例えばものすごく著名な経営者であっても、必ず「○○社の社長」という肩書で語られますから、「自分ブランド」の部分が相当大きいとしても、「企業ブランド」から完全に切り離されることはありません。

 多くの人が何らかの組織に属したり、組織自体を作ったりして、その所属や肩書を持って仕事をします。そうなると、企業もしくは組織のブランドと、自分ブランドが完全に分離されることはなく、その客観的な切り分けを、当事者である本人がするのはかなり難しいでしょう。

 ここで、私が独立した時の経験で言うと、有名企業にいたわけではなかったので、あまり「企業ブランド」を実感したこともなく、独立するつもりで「自分ブランド」を意識していましたし、それなりに自信もありました。

 しかし、実際に独立してからの「自分ブランド」は、自分が思っていたよりもはるかに小さなものでした。やはり、どんなに意識していても、「企業ブランド」と「自分ブランド」は混同しやすく、勘違いもしやすいものです。

 一つだけ言えるのは、「企業ブランド」を越えるような「自分ブランド」を持つ人はほぼおらず、自己評価している「自分ブランド」より、実際の方が大きいこともほとんどないということです。

 今は「自分ブランド」で仕事をしているように見える人でも、有名企業に在籍していた経歴を武器にしている人が大勢いますから、やはり「企業ブランド」からは離れていないですし、そのブランドを越えているとも言えないでしょう。

 私は「企業ブランド」と「自分ブランド」のギャップ認識のためには、相当に謙虚な視線が必要だと思っています。「企業ブランド」が立派であるほど、「自分ブランド」とのギャップは広がりやすく、勘違いも大きくなりやすいでしょう。

 「自分ブランド」を高める努力は、特にこれからの時代では絶対に必要です。ただし、その高まり具合の評価は、かなり謙虚に見ていて間違うことはありません。自分が控え目に評価したものから、さらにもう一歩謙虚でも、ちょうど良いくらいのようです。

※この記事は「会社と社員を円満につなげる人事の話」からの転載となります。元記事はこちら





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