JR東日本の100%子会社へ 駅のキヨスクはなぜ「NEW DAYS」に? – livedoor

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コンビニ業界の知られざる裏側を、内情に詳しいライターの日比谷新太さんがレポートする当シリーズ。前回の「セブンイレブンの新レイアウト」の話題に続き、今回から複数回に渡ってお送りするのは、駅ナカコンビニ「ニューデイズ」の誕生からこれまでの知られざる秘話について。大ベテランの女性スタッフによる素早い客捌きでおなじみだった「キヨスク」は、なぜコンビニ形態の「ニューデイズ」に移行せざるを得なかったのか、日比谷さんが詳しく解説しています。

「キヨスク」から「ニューデイズ」への変革

JR東日本が運営しているコンビニ「ニューデイズ」。運営企業(企業の出自)は駅の売店キヨスクで、一昔前は「東日本キヨスク」と呼ばれていました。

キヨスク売店といえば、おばちゃん(失礼)が小さな箱(約3〜5坪)の中で、お客さんの顔を見て欲しい商品をすぐ手渡して、釣銭を暗算であっという間に計算し商品決済を終わらせる……そんなイメージがあると思います。余談ですが、この職人芸とも思える現金暗算決済は、先輩について学ぶより慣れろ方式でOTJにて伝わっていたようです。

また、どの商品がどの位置に陳列されているかも完璧に覚えており、常連のお客さんが購入するものも完璧に覚えていたそうです。余談ついでに、キヨスク売店は複数の職人で運営されており、それぞれの職人がMYルールを持っていたようで、勝手に商品の陳列位置を変更したりすると、社内トラブルになったそうです。

このような職人集団を抱え、JR東日本駅構内という絶好のロケーションで経営していた東日本キヨスクでしたが、2006年にある転機を迎えます。もともと新聞・たばこ・雑誌といった商品が売り上げの大半を占めており、業界特性として成長する可能性が低い事業モデル(MD)とされ、売上も徐々に下がっているところで、JR東日本の100%子会社となったのです。

上場企業の100%子会社となり連結決算対象となったことで、企業としての成長戦略・収益性向上が株主から求められるようになった東日本キヨスク。そのような環境変化のなか、同社はキヨスク売店中心の事業経営ではなく、コンビニ(ニューデイズ)主体の事業経営に変革させることになりました。コンビニですので、取り扱いアイテム数も以前のキヨスクよりも多くなり、おにぎり・パン・飲料といった利益率が比較的安定している商品群が中心の品揃えとなりました。

また、職人軍団の高齢化・後継者不足も大きな問題でした。暗算・暗記のスペシャリスト育成は簡単ではなく、そこでPOSレジの導入が進められたのでした。取扱商品の変化・POSレジの導入・成長戦略・収益性向上などといった経営課題解決に向けて、コンビニ化の促進が進めらました。事業戦略の推進に向けては、社外の経営コンサルティング会社のサポートも得ていたようで(有名な外資系戦略コンサルティングファーム等も)、なかでも船井総合研究所のサポートは業界内でも話題となりました。

客単価の低さをどう克服したのか

もともと駅構内の店舗であるため、客数は平均約2000人/日と他のコンビニと比べて2倍ほど多かったニューデイズ。そこで業績向上のために目指したのは「客単価アップ」でした。

駅利用の消費者は、列車発車時刻などが迫っているなかで急いで買い物をするので、じっくりと時間をかけて商品を選んでもらうのではなく、欲しい商品がすぐ見つかり、素早く会計が終わるような店づくりをしてきました。しかし裏返すと、このような消費行動が主体であるため、客単価は低めだったのです。

そこでニューデイズは、より買いやすい売場作りを進めていきます。売りたい商品の陳列フェイスを拡大(アイテム数を絞り込み)し、見やすくわかりやすいように販促物を整理していきました。例えば消費者が何気なく手に取る商品が発泡酒ではなく、より収益率が高いアサヒスーパードライになるように、陳列の工夫を進めました。

また食品類の強化による売上・収益の更なる向上を狙うために、オリジナル商品の開発にも力を入れました。特にパンについては、オリジナルブランド「パネスト」を作り、オリジナルの販売促進キャンペーンも強化したことで、ヤマザキパンなどのNB商品よりも販売を伸ばすことに成功しました。また店舗運営面においては、スーパーバイザー(SV)の経営指導力強化を行い、売場・接客といった現場の改善を進めました。

このような個店舗の売上アップ(収益性アップ)を地道に続けることで、1店舗あたりの平均日商売上が(セブンイレブンを抑えて)3年間連続で業界ナンバーワンとなったのでした。(つづく)

image by: Tupungato / Shutterstock.com

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