大坂なおみ「とんかつ食べたい」切り取り報道は、大坂への誤解を広める危険がある – Business Journal

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「Getty Images」より

 大坂なおみ選手がテニスの4大メジャー大会のひとつ、全米オープンで優勝しました。日本人として史上初のメジャー制覇に日本中が沸き立ちました。

 実力に加えて愛すべきキャラクターで人気も沸騰し、愛用のテニスラケットやウェア、腕時計など関連グッズの売り上げも右肩上がりだと報じられています。

 波及効果はグッズにとどまらず、好きな食べ物なども注目されています。2014年の全米オープンで準優勝した錦織圭選手が帰国後、「ノドグロが食べたい」と語った際には、ノドグロ(アカムツ)が品薄になり価格が高騰しました。今回も、大坂選手が試合後のインタビューで「トンカツ、カツ丼、カツカレー、抹茶アイスが食べたい」と語っている場面がワイドショーをはじめとしたテレビ番組で繰り返し放映され、トンカツや抹茶アイスクリームを扱うお店が、彼女の人気にあやかろうとアピールしている模様も映し出されています。

 しかし、このインタビュー場面は一番大切な部分が割愛されていて、非常に不正確な情報として伝わってしまっています。

一流アスリートにトンカツはNG

 試合後のインタビューで、食べ物に関する彼女の正確な答えは次のようなものでした。

「もし、好きなものをなんでも食べていいなら、トンカツ、カツ丼、カツカレー、抹茶アイスクリームが食べたい」

 この答えのなかで「もし好きなものをなんでも食べていいなら」と、わざわざ前置きを付けていることに注目してください。一番肝心なのは、この前置きなのです。しかし、テレビ番組では、この部分をカットして放送されているため、まるでトンカツ、カツ丼、カツカレー、抹茶アイスを普段から好んで食べているかのように伝わっています。実際に、多くの方がそう思っているのではないでしょうか。

 では、なぜ「もし好きなものをなんでも食べていいなら」と、前置きをしたのでしょうか。

 トップアスリートである大坂選手は、最新のスポーツ栄養学を実践していると考えられます。トップアスリートは、トンカツに代表されるリノール酸の多い揚げ油を使った食事はNGのはずです。「なんでも食べていいなら」の前置きには、食べたいけれども「トンカツ=食べてはいけないもの」との意味が含まれていると思われます。

一流アスリートは魚食が主流

 テニスに限らず世界の一流アスリートは、オメガ3脂肪酸のDHA、EPAをたっぷり含む魚食が主流です。オメガ3脂肪酸には赤血球と血管を柔軟にする血流改善効果があり、その作用がスポーツ時に全身の筋肉に酸素と栄養を運び、かつ老廃物を取り去るため、持久力の向上、疲労回復効果、心臓の負担軽減がパフォーマンス向上に役立つのです。さらにDHA、EPAの持つ抗炎症作用はケガの予防にもなります。こうした効果は科学的に証明され、日本でもニッスイ(日本水産株式会社)が「スポーツEPA」をテーマに研究し、その成果を発表しています(http://sportsepa.com/index.html)。

 こうした成果を基に、世界の一流アスリートはいち早くオメガ3脂肪酸を食生活に取り入れているのです。今年の2018FIFAワールドカップで、サッカー日本代表の試合当日の食事も、選手側からの要望で焼き魚定食だったという事実が、真実を物語っています。

 反対に、トンカツなどの揚げ油に多く含まれるリノール酸は、摂り過ぎると炎症作用を起こすため、パフォーマンスを十分に発揮できないばかりか、ケガや病気をしやすい体質になります。そのため、一流のアスリートはサラダ油やキャノーラ油などを使った揚げ物は、極力食べないようにしているのです。実際に、ラグビーワールドカップ2015・南アフリカ大会で驚異的な好成績を収めたラグビー日本代表では、トンカツはNG食とされていました。

 つまり、大坂選手の「もし好きなものをなんでも食べていいなら」との言葉には、「トンカツは食べたいけれど、アスリートとしてはNG食だから食べない」との思いが込められているのです。リノール酸の過剰摂取を避け、オメガ3脂肪酸を積極的に摂ることが一流アスリートの食生活の基本なのです。

 彼女の朝食は、サーモンベーグル(スモークサーモンもDHA.EPA豊富)が定番だそうです。そして栄養学を学んだお母様の指導もあって、普段の食事の99%が和食です。肉も食べるようですが、好物は寿司だといいます。魚に多いDHA、EPAを積極的に摂取しているのです。優勝した日の夜は、寿司を食べたと答えていました。トンカツではないのです。また、9月13日に行われた帰国インタビューでは、抹茶アイスクリームも食べていないと答えています。

 もともと日本では、敵に勝つためにトンカツやカツ丼を食べる“験担ぎ”がありますが、それはスポーツ栄養学では時代遅れで逆効果の「間違った食」なのです。今回の日本のマスコミ各社が、都合よく切り取った彼女のインタビューが、間違った情報となってNG食を奨励するかのように広がるのは残念でなりません。彼女の食事で見習うべきは、リノール酸の多いトンカツではなく、DHA、EPAをたっぷり含む寿司です。パフォーマンス向上を目指すなら、ぜひ魚食を心がけるようにしてください。
(文=林裕之/植物油研究家、林葉子/知食料理研究家)

※こちらも併せてお読みください。5月20日付ビジネスジャーナル記事『トンカツは人体に危険!一流アスリートは魚食だった!子供の知能発達も促進』

●林 裕之 1956年 東京生まれ(植物油研究家)/林 葉子 1954年 東京生まれ(知食料理研究家)
娘のアトピー再発をきっかけに植物油の害を知る。あまり知られていない植物油の正しい情報を知ってもらうべく、「油を変えて美味しく体質改善」をテーマに、レシピ本や料理教室、ブログなどの活動を夫婦で展開中。著書に『「DE-OIL」でキレイになる』(MIDI)、『体に良い油で作る絶品料理 (1)からだがよろこぶ!賢脳・健康レシピ』『体に良い油で作る絶品料理 (2)あたまがよろこぶ!賢脳・健康レシピ』(ともにダイナミックセラーズ出版)などがある。最新刊は『その病気、その疲労、「隠れ油」が原因です!』(三笠書房)。
ブログ:「『DE-OIL』でキレイになる」…オメガ3系の油“アマニ油、えごま油” で体質改善。体と頭に効く油別の料理ブログ。





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