直販ブランド として脱皮する、「GoPro」の販売戦略:Amazonでの販売を続けながら – DIGIDAY[日本版]

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Amazonや大型店舗で製品を販売しているだけでは、いずれ限界が訪れる。

主に店舗で製品を販売してきたGoPro(ゴープロ)が、直販(DTC)を戦略の中心に据えはじめた。自社のeコマースサイトをリニューアルし、技術への投資を増やしているのだ。その狙いは、消費者がサイト上でどのような場所をクリックし、どれくらいの時間を過ごしているのかなど、消費者の行動を詳しく知ることにある。そして、Amazonやイーベイ(eBay)での販売を続けながらも、自社で所有、運営するチャネルでの販売を重視するようになった。顧客を知ることで、ブランドの成長に役立つ詳しいインサイトが得られるからだ。

「我々にとって、Amazonでの販売は単なるセールスだが、gopro.comでの販売は(顧客との)関係作りだ」と、GoProでeコマース担当責任者を務めるキャシー・アンドー氏はいう。「データは、アナリストまで含めた社内のあらゆる階層の人たちに、意思決定の役に立つ情報を提供してくれる」。

鳥の巣のようなもの

GoProによれば、2017年の売上額は12億ドル(約1370億円)近くで、そのほとんどがウォルマート(Walmart)などの店舗から得たものだったという。eコマースからの売上は、Amazonが大きな割合を占めているようだが、AmazonのGoProストアでの売上額と自社サイトでの売上額を同社は明らかにしていない。

ただし、売上マージンはgopro.comのほうが高い。そしてこの1年間、GoProは顧客データを利用して、eコマースサイトのユーザー体験の向上と、顧客の属性に合わせてサイト表示をカスタマイズする機能の開発に取り組んできた。

GoProは、コンテンツスクエア(ContentSquare)のテックプラットフォームを使ってデータ収集システムを構築し、顧客の閲覧行動をチェックしている。顧客がどのようにサイトを見て回るのか、どのくらいの時間をひとつのページで過ごしているのかを調べたり、購買行動をやめてしまった地点を正確に把握したりするためだ。今後は、「CSライブ(CS Live)」と呼ばれるプラットフォームの機能を使い、ブラウザにプラグインを追加するだけで、サイトでの顧客の行動に関するデータをすばやくリアルタイムで取得できるようにするという。すべての従業員がこうした情報を簡単に入手できるようになれば、顧客の感じていることをいつでも把握できるようになるとアンドー氏は語った。

「eコマースサイトといえば、ほとんどの人が直線的で平面的なものだと考える。だが、実際には人々が行きつ戻りつを繰り返す、鳥の巣のようなものなのだ」と、彼女は付け加えた。

きっかけはカート放棄率

アンドー氏のチームが2018年はじめにeコマースサイトの改良を計画したとき、解決すべき大きな問題は、カート放棄率の高さだった。そこで彼らは、「Googleアナリティクス(Google Analytics)」を使ってより包括的な販売トラフィックデータを入手し、カートが放棄された地点を突き止めることに成功した。しかし、放棄のきっかけとなった出来事を正確に知ることはできなかった。

それでも、注文手続きが完了するまでに、メールアドレスを2回以上入力させるといったごく単純な要素が、カート放棄を誘発している可能性があることがわかった。

GoProは、eコマースサイトの段階的な改良に着手し、9月にリニューアルを実施した。また、これから数週間のうちに、新しい注文手続きページを公開する予定だという。アンドー氏によれば、顧客の行動データを入手できるプラットフォームを利用して以来、コンバージョン率は40%跳ね上がった。今後は、顧客の行動に基づいてサイトの表示をカスタマイズする機能を追加する計画だという。

リテールとの関係性

GoProは現在、マルチチャネルアプローチでeコマースに取り組んでおり、それぞれのチャネルで独自の戦略目標を立てているとアンドー氏は話す。たとえば、無視できないほど規模が大きいと彼女がいうAmazonでは、すべての在庫を販売している。一方、イーベイのストアでは旧モデルの製品を販売し、価格に敏感な消費者を取り込もうとしている。しかし、いまのGoProは、自身のブランドを利用してDTCに注力することが、次のレベルに進むために欠かせないと思われる段階に来ている。

ただし、「Amazon(の店舗)を閉鎖して、去ってしまうことはできない」とアンドー氏はいう。「我々の顧客が誰なのかを知る必要があるのだ」。

GoProなどのDTCブランドでは、顧客にリーチするために大手小売企業や大規模なオンラインストアと提携しながら、DTC戦略を拡大して顧客との関係を構築するという難しい舵取りが必要になる。だが、新興ブランドにとっては、コンバージョン率の低さが大きな問題になりかねない。

「5年前の課題は、データを得ることだった。しかし、いまの課題は、何が適切なのかを判断し、常に最適化を行ってコンバージョンを獲得することだ」と、コンテンツスクエアでCEOを務めるジョナサン・チェキ氏はいう。

独り立ちしたブランド

GoProが自社のeコマースサイトを通じて顧客と親密な関係の構築に乗り出したことは、同社が十分な知名度を持つブランドとして独り立ちできるようになったことを意味する。

「彼らはいまや、『もっと多くの分け前を得るにはどうすればいいか』というようになっている。(中略)彼らは十分なブランド価値を作り上げたのだ」と、テック系企業と小売サービスで提携しているブリッツメディアグループ(Briz Media Group)のCEO、デイビッド・ブレイ氏は述べている。「人々はGoProブランドのことを知っており、彼ら(GoPro)はいまや一本立ちできる状態にある。ただし、この勢いを持続するには、ブランドの資金を大量に注ぎ込んで、大手小売企業に依存しなくても済むようにする必要がある」。

Suman Bhattacharyya(原文 / 訳:ガリレオ)





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